ギャグだけどえろいですよ。でももう一回言う、ギャグです。
神様、教えて下さい。俺は昨日何したんですか。

Are you stupid?

えっと、まず俺はどうして兄さんのベッドで寝てるんですか、何で隣りに兄さんが居るんですか、しかもぐったりしてるんですか、そしてどうして俺は全然平気なんですか。聞きたい事は山ほどあるが誰も答えてくれそうにない。というか、答えは分かり切っている気がする。信じたくないけど。
「ん……ん?」
隣りでごそごそと兄さんが起き出した。あわてて布団から出てベッドの上に正座する。
「_____ああ、悠」
「 あうあ、兄ちゃん、俺なにしました……?昨日……」
______覚えてなくて良かったな。俺は今すぐ飛び降りたいのに。
今まで一度も見た事ないぐらい疲弊した目で兄さんは答えた。
「えええええええ俺っ、兄ちゃっ、ええええええええ」
「うるっさい頭痛い。ったく、おめでたい頭だなちくしょう……俺もお前ぐらいバカだったら良かったのに。」
「うわあああごめんなさいごめんなさいごめんなさっ、あああ」
「もういい。謝られても変わらないんだよやっちまった事は。あー今日大学かよ、サボりたい、くそっ」
兄さんの舌打ちに震え上がる。でも残念ながら、自分が何をしてしまったのかはきちんとは覚えていない。いやラッキーなのか。
「に、兄さん」
「何だよ」
「あの、俺____昨晩は何をやらかしましたか」
詳しく言えって言うのか!?
泣き出しそうな顔で兄さんは怒鳴った。うわああガチで何したんだあああ俺。
「____分かった。昨晩の仕返しだと思って全部言ってやる。」
兄さんは射るような目で俺を睨んでから口を開いた。


「なんだよぉ、いっつもいっつも兄ちゃんばっかし。いいじゃん兄ちゃんは女の子とでもヤれるんでしょ?ずるいーずるいー兄ちゃんばっかし」
状況がさっぱり飲み込めない。それなりに頭の出来はいいつもりだが、これは、難問過ぎるだろう。
何で悠はいきなり俺の部屋に入ってきて寝ていた俺の上に馬乗りになっているんだろうか。というかコイツ、酒臭いぞ。
「えっいやあの、悠、お前酔ってる?未成年がなに飲んでんだ、」
「おかたいこというなよなぁ、兄ちゃんのバーカ。いっつもいろいろしてきやがってぇ。きょうは、おれ、が、うえなんだからね!」
上?
つまり、コイツ俺を犯すつもりか?
「な、何でそういうことになるんだよ! 体格的に有り得ないだろそれは」
「兄ちゃんの方がかおきれいじゃんだからいいじゃんべつに」
「理論になってない!!」
頭がパニックになりかけるのを何とかこらえる。何事だ、俺何かしたか。
「えへへへへーあきらめて俺にヤられちゃえー兄ちゃん」
にへら、と笑うと、悠は俺を押し倒してジャージのチャックを下ろした。
「ヤられちゃえーじゃねえんだよアホかお前!!知ってたけど!! っ、お前本気なのかよ勘弁してくれ!」
押しのけようとしたらものすごい力で防がれた。え、待て、酔うと力強くなんのコイツ?
「おい、この、お前、どっからこんな力、」
「えー分かんなーい!兄ちゃんの方があたまいいだろーかんがえろばーかばーか」
あ、だめだコイツ。
さぁっと一気に血の気が引いた。
「ふっざけんなてめぇ!!んぁ、おい、どこ舐めてんだ馬鹿野郎、だめだコイツ早く何とかしないとっ」
どこかの漫画のようなセリフだが本当にそう思ったのだから仕様があるまい。ちなみに俺は月派だ。
「あれーかおあかいー兄ちゃん。どうしてどうして?えへへへ」
「どうしてじゃねえよお前のせいだろ!何で、俺が、こんな目に、」
首筋を舐められて喘ぎそうになったが無理矢理堪える。弟の前で喘ぐだと?それだけは本当にイヤだ。
「兄ちゃんちゅーしよーちゅー」
「何言ってんだこの酔っぱらい!!」
いいじゃんかーべつにさぁ。言うと、悠は無理矢理唇を重ねてきた。当然のように舌を入れられて、俺は完全に混乱した。
この立場で弟とキスする日が来るだなんて。できれば永遠に来て欲しくなかった。
「んんっ、ん、んぁ、あ」
声が漏れる。いつの間にこんな巧くなったんだ、俺とヤってたからか、じゃあ自業自得か。
「あれぇ、兄ちゃん喘いだぁ?」
しばらくしてから口を離して、悠は惚けた笑みを浮かべた。
「お前酔いが醒めたら覚えとけよ!!」
「なんとでもいえーぃ。えい、触っちゃえ、」
悠は俺のうなじに手を回し、なでさすってきた。ちょっと待て、そこ、は、
「んああっ、馬鹿、お前ちょっと本気で、やめ、」
「やーめなーい!だっていつもやめてくんないもん、兄ちゃんだけとかずるいもん」
「ひ、ふ、ん、うぁあ、何で俺の弱いとこ、お前が、知ってるんだよ!!」
やはりというか何というか、悠から予想通りの返答が返ってくる。
「真日さんがねー、『柳はうなじ弱いから、今度やってみ』っていってたんだー!覚えてるんだよえらいでしょ!」
「あの野郎ぶっ殺す!!何が偉いでしょだ大馬鹿者!!」
ミサワ会ったらぶん殴るっ、あの野郎電車にゆっくり轢かれて悶え死ねっちくしょう!
「うぁぁ、ほんとそこ、弱い、んだよ、やめっ、変な気分になるっ」
「なっちゃえなっちゃえー」
うなじを撫でさせる指が二倍に増える。あぁ、これはちょっとまずい。
「兄ちゃんかわいーかおあかーい!恥ずかしい?恥ずかしい?」
「殴れば元に戻るなら顔面殴って差し上げたいな今のお前」
頬が引きつるのが分かる。何だかんだかわいい弟だが今は関係ない、殴りたい。
「こわいなぁこわいーこわいー。弟にボウリョクって良くないと思いまーす」
「思いまーすじゃねえんだよ死に腐れっ!!元に戻れよバカ、ああっ、あ、」
「もっと喘いでよぅつまんないー。俺いっつも我慢できないのに……じゃあもっとひどいことしちゃうぞー」
背筋が粟立つようだ。俺は若干の恐怖を感じながら尋ねた。
「なんだよひどい事って! 酒飲ませたの誰だよぉ」
「ひどいことはひどいことなのでーす!えへへーねえ兄ちゃん、好き」
「っ、へ?」
ま、まさか。ひどいことって、もしかして。
「好き、好き、大好き大好き愛してるー大好き大好き」
「うあああそれっ、やめっ、ちくしょうまたミサワか!?」
あの野郎絶対殺す今決めた!!!
「好きっていうとびくってなるよーここぉ。へへー兄ちゃんかわいい」
悠は俺の下着の中に手を突っ込んで言った。コイツも明日ぶん殴る絶対。
「ここ、とか、言うなっ、やめろよ!!もう誰でもいいから助けて、神様ぁ」
「神様なんていないっていつも言うのは兄ちゃんじゃーん。へへ、大好き大好き」
「んあああ、もうやだ、心臓が、苦し……悠、元に戻ってくれよ」
「元ってなぁにー俺分かんなーい」
「もう嫌だああああ、うわっ、触んな、好きって言うな、やめろぉっ」
下着の中で悠の手がもぞもぞと動く。コイツ童貞のくせになんでこんな事、ああ俺の真似かあんな事しなきゃ良かった!!
「たってるねー兄ちゃん、俺の方がたってるけどー。ねぇ、なめてあげよっか?」
ふざっけんなやめろ!叫んだが俺の悲鳴は軽く無視して、悠は下着を脱がせた。
「いやなのー?じゃあ、好きって言われんのとどっちがいやー?」
「どっちも嫌だよ!!」
「じゃあどっちもするー」
「なんでそうなるんだよぉ!」
ん……好き、にいひゃ、好き。俺のそれを口に含みながら悠は好きと言い続けた。本当にキツい、苦しい、やめてくれ!!
「舐めながら言うなっ、あ、おかしくなる、ふざけんなよぉ、あぁっ」
「ん、ちゅ、んく、ん……兄ちゃん泣きそーだ、ってか、泣いてんの?」
これが泣かずにいられるかよっ!!俺はイラ立ちまじりに怒鳴る。
「弟にフェラされるなんて、屈辱、だっ」
「えーなんでー?俺こんなに兄ちゃんが好きなのにー」
「だから好きって言うなってば!! んあぁくちゅくちゅいわすなっ、も、無理、」
ムリならイっちゃえー兄ちゃん。笑いながら悠は言った。
「簡単に言いやがっていい気なもんだな、お前本当殺すぞ、明日の朝覚えとけよっ」
「忘れてやるもんねきれーさっぱり。ほら、ムリしなーいで」
「れろれろすんなよっ、やだ、悠っ」
悠の舌が速くなる。さすがに耐えきれなくなった。
「ふえ、苦ぁ………へへ、イっちゃったねー兄ちゃん」
「こんの野郎……もう絶対許さない、お前」
「えー許してくれないのー?こんなに好きなのにぃ、兄ちゃん」
精液を飲み下したばかりの口で、耳元で、囁かれた。だからそれ、無理なんだって!!
「好き、じゃねぇよぉ、耳元で言うなぁ、あ、」
「好き好き兄ちゃん、大好き大好き愛してる」
「ひあああ、分かった、もう分かった、許す、許すからっ」
今好きと言うのをやめてくれるなら何だってする、そう思った。恥ずかしすぎて苦しい。フェラでも何でもしてみせるから今すぐ黙ってくれ、頼む。
「好きー好き好きたった一人の大事な兄ちゃん!!愛してる愛してる愛してるだーい好き」
「許すって言ったじゃんかぁ!! もうやめろよ、うあ、あ、やめてくれっ!!!」


「___そんな事したんですか、俺  いやしたね俺思い出したもん」
事の重大さに愕然とした。途中から、細部まで鮮明に思い出してしまったもの。あああこれは本当にヤバい。
「宣言通り忘れやがって………ここに肉ぎり包丁があればいいのになふざけんなよてめぇ」
死んだ魚のような目で兄さんは言った。こ、ころされる。
あああああああごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!ものすごい勢いで俺は謝った。あー、でも……
昨日の夜の兄さん、ものすごく、かわいかったよなぁ。
「あのぅ、兄さん」
「何だよ?」
苛立たしげな声音と表情にビクッとする。が、勇気を振り絞った。
さりげなーく耳元まで寄る。いぶかしんで身を引こうとする兄さんに、俺は言った。
「えっと、もう一回……好きって言ってもい____」
ふぁっ、やめろ言ったらぶん殴る!!
兄さんはそう言って目をつぶりながら耳を塞いだ。あ、かわいいどうしよう。
「あ、うん、ごめん ____いざとなったら言ってやろ」
「何か言ったか!?」
「言ってません!!」

お酒の力は偉大です、二次元において。

2010/10/11:ソヨゴ


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